引伸レンズは、引伸機に取り付けて使用します。
レンズマウントは、ねじ込み式ライカマウント（39mm）となっており、各社共に共通です。
例えば、フジノンのレンズは富士以外の引伸機にも付きますし、ニッコールのレンズも富士の引伸機に使用可能です。
また、ライカやフォトクレンダーベッサ等のレンジファインダーカメラ用のライカLマウント(スクリューマウント)レンズを引伸レンズの代用として使うことも出来ます。(但し、カメラに取り付ける撮影用のレンズは引伸用に設計されているわけではありませんので、お勧めはしません。)

写真の仕上げに直接影響するという意味では、カメラのレンズ以上に重要なものです。
できればそれなりにいいものを。
（舶来品まで使うことはないと思いますが・・・）

引伸レンズのメーカーは、
　・ フジノン（富士写真フイルム/製造はフジノン(旧社名：富士写真光機)）、
　・ ニッコール（ニコン・現在は中国製/2006.1製造終了）
が２大メーカーとなっていますが、他に
　・ ラッキー（藤本写真工業）、
　・ ＬＰＬ
　・ コンゴー(山崎光学研究所)
などからも販売されています。
また、外国製では
　・ ローデンシュトック
が有名です。

個人的にはフジノンかニッコールのいずれかをお選びになればと思います。

引伸レンズの場合、引伸ランプからの強い光や熱を受けているため、ある程度消耗品のようなところがあります。
古いレンズを使っていて、ぼけーっとしていると感じるようでしたら新品に変えると良くなるかもしれません。
（ただ、今時そこまで使い込むことはそれ程多くないとも思いますが・・・）
中古品が激安で販売されていることもありますが、状態をよく確認してからどうぞ。
良い状態のものはあまりみません。

また、暗室は湿気が多いです。
レンズを守るため、使用しないときはレンズを引伸機から外して、付属のプラスチックケースに乾燥剤やカビ防止剤と一緒に保管して下さい。
(乾燥剤・カビ防止剤の入れ方はカメラ用のレンズと同じです）

引伸レンズのケースは別売もされています。
フジノン：(品番はケース本体に記されていませんが取寄せ可能と思います）
ニコン：CP-2 (T4960759010704)：定価600円

このレンズケースにはライカスクリューマウントの標準レンズ位のレンズも収納することが出来ます。
価格も手頃ですので、フォトクレンダーベッサシリーズやライカのLマウントレンズをお持ちの方にもお奨めです。
ケース自体の大きさはどちらも同じくらいですが、フジノンの方がケースに銘板のシールが張られている分
少し手が込んでいます。