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モノクロ現像入門−準備編 印画紙現像に必要なもの−印画紙 |
10/11/01
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印画紙の種類は下記の様に分類することが出来ます。 ・メーカー ・印画紙の化学的な違い ・印画紙の号数(コントラスト)の違い ・印画紙の色調の違い ・印画紙表面の処理の違い ・印画紙表面・裏面の耐水処理の違い(バライタ紙&ポリエチレンコート紙) ・印画紙の厚さの違い 上記の分類を基にお使いになる印画紙を決めて頂ければと思います。 尚、最初にお使いになる方へのお奨め、買い方のコツについては一番下の方に記してあります。 |
メーカーによる違い | ||||||||||
メーカーについては、下記4社が日本での大手メーカーとなっています。
これについては色々お試しの上で決められたらいいと思います。 他にもメーカーはありますが、入手が簡単なのは上記の4社でしょう。 三菱と富士しか入手できない地域の方が多いと思います。 ※追記:三菱製紙(GEKKO)の白黒印画紙生産終了に伴い、富士しか入手できないところも増えてきています。 上記の他最近ではこれまで日本では殆ど見かけなかった外国製の印画紙が店頭に並ぶ様になりました。 私が周囲の方々から伺った話を含めてまとめた限りでは、 ・GEKKOとイルフォード:焼きやすい。 ・GEKKO:比較的安価。 ・イルフォード:無光沢紙が人気。外装箱がおしゃれ。 ・富士:黒の締りが良い。 等の特徴があります。 |
印画紙の化学的な違い |
印画紙の種類については、いくつか分け方があります。 化学的な分け方では、 ・ガスライト紙 ・クロロブロマイド紙 ・ブロマイド紙 の3種類に大別されます。 ただ、通常引伸ばしに使用する紙はブロマイド紙が殆どです。 (月光SP-VR,MR;フジブロWP-FM,KM等) ガスライト紙は主に証明写真等で使われています。 (富士の利根・銀嶺などがガスライト紙。昔の証明写真にはよく銀嶺が使用されていました) 富士のダークレスシステムで使用するのもこのガスライト紙です。 |
印画紙の号数(コントラスト)の違い | |||||
写真店の棚の前で、最も迷うのがこの号数の部分と思います。 印画紙には2,3,4号紙とマルチグレード紙(メーカーにより呼び方が異なります)が有ります。 2,3,4号の数字でコントラストのつき方を示します。 4号等、数字が大きくなるにつれてコントラストにメリハリがつきますが 4号はコントラストをつけたい等の意図がある場合を別として、それほどは使わないと思います。 印画紙の箱などには2号紙が普通のように書かれていますが、3号紙を 普通の号数として扱う方が多いです。 号数を変えるのは、主に下記の場合が多いです。
まずは3号紙を、余裕があれば2,4号についても50枚ずつお求めになってはいかがでしょうか。 マルチグレード紙は号数を変えることが出来る紙です。 この紙の特徴として、 ・1種類の紙で号数を変えることにより、1号から5号までの必要な号数を揃えるのと 同様のメリットがある。 ・焼き込み・覆い焼きを行う際に、1枚の画面の部分により号数を帰ることが出来るため 例えば画面の暗いところを2号、そうでないところを3号で焼き付けるなどが出来て便利。 等のメリットがあります。 但し、マルチグレード紙の場合は、 ・引伸ばしの際に別途フィルターが必要となる (フィルターのない場合は種類により2号か3号となるようになっています) ・専用のセーフライトが必要となる場合がある 点に注意ください。 授業で指定されているのでなければ、マルチグレード紙は最初は不要かもしれません。 なお、マルチグレード紙については、メーカー毎に名称が異なります。 セーフライトやフィルターも各社それぞれ専用品を販売していますが、 基本的にどれか1社のものが有れば他社製品にも使用可能です。 (厳密には特性が異なりますし、また各社とも他社製品の使用は推奨していないはずです。 実際には使用可能ですが一応念のため。) |
印画紙の色調の違い |
モノクロ写真の場合でも、印画紙の種類や現像液の濃度により違いがあります。 これが昨今のデジタル処理によるモノクロとは異なるモノクロ写真の味を出しているものの一つです。 モノクロ写真の色調には、 ・冷黒調(黒が青みがかった色調) ・純黒調(黒が黒くしまった色調) ・温黒調(黒がブラウン色がかった色調) の3種類に大別されます。 日本では冷黒調、欧州では温黒調が人気があるといわれています。 日本で一般に販売されている殆どの印画紙は冷黒調か純黒調です。 月光が冷黒調、フジブロマイドやイルフォード、オリエンタルなどが純黒調となっています。 純黒調の印画紙を使用しても、現像液を標準より濃くするとやや冷黒調に、 標準より薄くするとやや温黒調になります。 ただ、冷黒調と純黒調の違いについては、通常のポリエチレンコート紙(下記参照)では 違いがわかりにくいかとも思います。 ※いずれの色調共に、最近のカラープリンタによるモノクロ出力とは全く異なる色調です。 |
印画紙表面の処理の違い |
印画紙表面の種類については、表面の見た目の仕上げの差と 作業効率を図った表面仕上げの差の2つに分かれます。 表面の仕上げについては、 ・光沢紙 ・半光沢紙(微粒面) ・無光沢紙 が有ります。 光沢紙は普通のカラープリントの様なつるつるの紙です。 写真自体を最も正確に表現できると思います。 スキャンして取り込むために焼く場合はこの紙がベストでしょう。 最初に焼きの練習用にというのであれば光沢紙が無難と思います。 半光沢紙&無光沢紙はお好みでいかがでしょうか。 無光沢紙はなんとなくいい感じがあり人気が有ります。 |
印画紙表面・裏面の耐水処理の違い(バライタ紙&ポリエチレンコート紙) |
水洗時の効率に関わる表面仕上げの差としては ・バライタ紙 ・ポリエチレンコート紙 の2種類があります。 バライタ紙は最近では主に高級な印画紙でよく見かけます。 乾燥までの作業の手間はかかりますが、上質な仕上げを得られます。 特にバライタの光沢紙の場合、自然乾燥では上質な光沢に、 フェロタイプ乾燥を行った場合にはポリエチレンコート紙より遥かに美しい光沢を 得ることが出来ます。 最も手軽に入手できるバライタ紙は月光NRや富士のポストカードです。 この印画紙は自然乾燥では半光沢、フェロタイプ乾燥では光沢を得ることが出来ます。 一方、ポリエチレンコート紙は水洗から乾燥にかけての時間が短時間で済み 簡単に美しい仕上げを得ることが出来ます。 (写真屋に依頼する通常のカラープリントの仕上げもこのポリエチレンコート紙です) 授業で最初に取り扱うのでしたらおそらくこちらの方が良いでしょう。 メーカーによりSP(月光),WP(フジブロマイド),RP(オリエンタル),RC(イルフォード)等の文字が名称に付け加えられています。 |
印画紙の厚さの違い |
印画紙には薄手・中厚手・厚手の3種類があります。 通常は薄手か中厚手です。 厚手の印画紙は主にバライタの高級印画紙にのみ用いられています。 |
最初に買い求めるなら |
もし最初に練習用としてお求めであれば、 |
その他 |
最も多く使用されている印画紙はキャビネ(カビネ)判と大キャビネ(大カビネ)判です。 |
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